鄭明析牧師と、夏目漱石『こころ』
最近、ふと、こんな言葉が思い出されました。
「向上心のないやつはばかだ。」
これは、夏目漱石の『こころ』という作品に出てくる、Kのセリフです。
きっと、高校時代に現代文の授業で習った話だと思います^^
今日のテーマは、「鄭明析牧師と、夏目漱石の『こころ』」。
今回は、『こころ』の登場人物の中でも、主人公ではなく(笑)、
Kの方に焦点を当てて話したいと思います。
Kがどういう人物だったか覚えていらっしゃいますでしょうか?(笑)
主人公の学友であり、
とても勤勉で、いつも精神的に成長することを目指している人物です。
大学図書館で、いろんな哲学書や宗教書を読み漁りながら、人間がどう在るべきかを探し求め、
そして、いつも自分を省みていた人物です。
そんなKでしたが、ある時、自分が下宿先の「お嬢さん」に恋をしてしまっていることに気が付きます。
Kは、自分を律することなく、恋愛や世の享楽に身を浸す「向上心のないやつ」を「ばかだ」と断じてきたのですが
知らぬ間に、自分がそんな「ばか」なやつになっていたのです。
Kは、「娘さん」への恋心を抱く中、ストイックな精神的修養にも身が入らなくなります。
そうしていた中、Kの恋心を知った主人公から、「向上心のないやつはばかだ」「ばかだ」と自分のセリフをそのまま言い返され、大きな衝撃を受けるようになります。
結局、「在るべき自分」を失ったKは、自ら命を絶ってしまいます。
ここまでが、『こころ』のKの紹介です。
思い出したでしょうか??^^
そんなKと鄭明析先生には、どんな共通点があるのでしょうか?
まず、一つ目の大きな共通点は、
・自分を律して精神的修養に専念し、自分がどう生きるべきか探し求めていた
そして、もう一つ、
・片思いの恋をした
ことです。
鄭明析先生は、幼い頃から、山に籠もりながら、祈り、聖書を学ぶ生活をしてらっしゃいました。
それ以外には、町へ出ていって御言葉を伝え、もっと多くの人が教会に通うように、熱心に伝道活動をしていました。
「その頃、私は目を開ければ伝道、暇さえあれば1人の命でも伝道したかった。そのような熱い思いが、私の中でメラメラ燃え盛っていた。鷲が獲物を探すように、あちこち目をキョロキョロさせながら、伝道するべき人を探した。」
と当時を回想されています。
そのように神様のために熱心に走る中で、
ある一人の女性に片思いをするようになります。
しかし、鄭明析先生が、Kと違ったのは、「誰よりも神様を愛していたこと」でした。
Kは、思想的に、自分の精神的向上を追い求めていましたが、
一方で、鄭明析先生は、神様の考えを知りたいその一心で、自分の向上を追い求めていたのでした。
だから、先生は、片思いをしていた相手に対しても、「神様とイエス様について、もっと正しく分かるように」と思って、いつも御言葉を伝えてあげていました。
結局、その女性は、先生が知らない間に、別の男性のところに嫁いでしまい、先生の片思いは幕を閉じるようになるのですが、
先生は、この経験を通して、大きなことを悟るようになります。
それは、 神様の人間に対する片思い です
「このように、神様は、心を焦がしながら人間を愛してこられたのか!!!」と身をもって知るようになったのです。
誰にも気付かれずとも、ずっと人間を愛してこられた神様の愛、
その愛は雄大で美しい愛ですが、
一方で、誰にも分かってもらえなかった苦しさ、もどかしさが秘められています。
その、言葉では言い表せない神様の深い心を、鄭明析先生は誰よりも先に分かって、慰めて差し上げました。
このように、神様の計画があって片思いの恋をするようになった鄭明析先生でしたが、
神様の片思いの心情を悟ってからは、「ただ神様」という心で、神様だけを熱く愛していらっしゃいます。
鄭明析先生と、K。
同じく精神的な向上を目指していた人物ですが、
神様を中心にするか、自分を中心にするかで大きく運命が分かれたのだと思います。
もちろん、Kは創作上の人物です。
しかしながら、Kは、私たちの中の「形而上学的な自分」を具現化した人物、といえるのではないでしょうか。
つまり、Kの運命は、神様なしに精神的向上を求める「人間の限界」だということができると思います。
そのように考えると、
神様を知って、愛しているようになった自分の人生がどれほど幸せなものか、
感謝の思いが溢れるしかありません^^
正しく、はっきりと教えてくださった鄭明析先生に感謝です!
投稿者プロフィール
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大学院生。弁護士を目指して勉強中です。
最近のマイブームは、アロマ。大阪在住。
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